若林理央の書評

フリーライターの若林理央です。新刊を中心とした書評をしたためるブログです。エッセイはこちらから→note.mu/wakario

コミック

逃げられない子どもたちが残したもの 『ぼくらの』鬼頭莫宏

※一部ネタバレあり。『ぼくらの』は、ただの鬱漫画じゃない。 ロボットがメインのバトル漫画でもない。 甘えの許されない状況下に登場人物を置き、生きることの本当の意味を彼らの死によって伝える、他に例を見ない人間ドラマだ。 アニメもあるが、原作漫画…

「正義」の不確かさ ~手塚治虫『アドルフに告ぐ』を再読して

初めて読んだ15年くらい前は、自分の信じていた「正義」が手からすべり落ちていく感覚を中盤で味わった。 今回、再読し、その感覚が「感触」と言えるほど生々しいものになった。 それを味わったのは初めて読んだときと違い終盤だった。 3人のアドルフのうち…