ものを書く日々

企画から取材、執筆までやるライターわかりお。このブログでは書評中心に書いていきます。

『思ってたウツと違う!「新型ウツ」』池田暁子

著者の池田暁子さんは絵がとても可愛いので、池田さんの著作は誰でも気軽に手元に置くことができる。

この本は、そういう読者の予想とはまったく異なる展開で、衝撃的だ。

しかもノンフィクション。

 

 

思ってたウツとちがう! 「新型ウツ」うちの夫場合

思ってたウツとちがう! 「新型ウツ」うちの夫場合

 

 

うつ闘病記ってハッピーエンドや治療続行中という感じで終わるものが多く、

うつで仕事を辞めたこともある身としては再発してまた苦しみ始めた友達もいるし、

そんな簡単なものじゃないよって突っ込みたくなる話が多い。

 

でも、この本は違う。

途中辛くなることもあって、何度か休憩を入れて読んだ。

それくらい、ウツ患者とその家族の現実が生々しく描かれている。

 

ご主人がうつになる前の新婚当時のことも、池田さんは、この本のまえに、別のコミックエッセイで描かれている。

 

 

うっかり結婚生活 一緒に暮らす2人のルール 8

うっかり結婚生活 一緒に暮らす2人のルール 8

 

 

多分、これを読んだときにあれ?とちょっとした違和感を感じるかも知れない。

よくあるハッピーな新婚マンガとして読もうとしたら、ツッコミどころがありすぎるから。

 

そのとき感じた違和感が、何倍も拡大して、襲いかかってくる。

 

正直、読んでいて「池田さん逃げなきゃ・・・!」と何度も本に向かって呼びかけてしまった。

でも、最後のウツの参考文献のページでは、必死でご主人と共に生きようとしている著者の姿が浮かび上がってくる。

振り回されるうつ病患者の家族としての主観だけではなく、

実家の家族に「お前のは病気じゃない、性格だ、怠け病だ」と言われてしまったご主人の苦痛もきちんと描写されているのが、本当に凄い。

 

うつは誰でもなる可能性がある病気。

時間と心の余裕があるときに、ぜひ読んでみてください。