ものを書く日々

企画から取材、執筆までやるライターわかりお。このブログでは書評中心に書いていきます。

『イノセント・デイズ』早見和真

ひとつの言葉、ひとつの出来事が運命を変える。

小さな不幸がさらなる不幸を呼び寄せ、歯車が狂っていく。

 

イノセント・デイズ (新潮文庫)

イノセント・デイズ (新潮文庫)

 

 

重い石を持たされたような感じで気が滅入るのに、最後までページをめくる手が止まらない。

 

ヒロインは幸乃という女性。

彼女が死刑執行日の朝、刑務官に呼ばれるところから物語は始まる。

 

幸乃はどんな犯罪を犯したのか。

どうして若くして死刑囚になったのか。

 

この小説の各章のタイトルは幸乃の判決文の文章を引用している。

彼女の幼少期から犯行があった日まで、幸乃や周囲の人物の視点から、判決文と事実を照らし合わせて話は膨らんでいく。

 

その違いがあまりにも大きく、最初の章から怖くなった。

そして、もしかして・・・という嫌な予感が、だんだんと現実のものになっていく。

 

なんだかちょっとこの小説に近いものがあるかも。

 

嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)

嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)

 

 

一つのことをきっかけに、どんどん転落していく松子の生涯を描いた小説。

中谷美紀さん主演で映画かもされているが、映画のほうはうまくコメディ風にアレンジされていて、悲惨さが薄まっていた。

 

ただ『イノセント・デイズ』のほうは、タッチを軽くしたくてもできなそう・・・・

と思ったら、もう竹内結子さん主演でドラマ化されているみたいですね。

 

ただ、この小説のラストの良さは小説でしか味わえない気もする。

これもどんでん返し・・・と言えるのだろうか。

読み終えた後、余韻が残りすぎて眠れなくなり、しばらく文庫本を離れた場所に置いておいた。