ものを書く日々

企画から取材、執筆までやるライターわかりお。このブログでは書評中心に書いていきます。

クローズアップ現代+「外国人留学生に何が」を見て

外国人留学生についての問題は、業界外で「ひとごと」化していかないか心配だったのだが、タイミングよくクローズアップ現代+が取り上げてくれた。

 

わたしは東日本大震災以後、漢字圏以外の留学生の割合が増え始めた頃に日本語教師になった。

東南アジア、南アジアの学生が深夜や早朝にアルバイトをし、そのまま寝ないで学校に来ている、という現状もリアルタイムで目にしている。

それに加えて漢字圏や韓国と比べて、非漢字圏の学生は漢字、文法、発音と日本語を学ぶ際の壁が厚い。

 

「学校としての機能を果たしていない」日本語学校・専門学校・大学はたしかにある。

ただわたしの勤務先を含め、学生にしっかりと向き合っている日本語学校のほうが圧倒的に多いと思う。

わたしもクラス担任をしたときは、通訳を入れて「今、日本語を勉強しなければ進学先が決まらないだけではなく、将来にも影響する」「夢をかなえるために大事なことはなにか自分自身の今の行動にかかっている」と指導した。

今まで勤務した三校すべて、真摯に学生に向き合っていた。

 

生活がかかっている留学生もいるので、アルバイトせずに勉強して、とはなかなか言えないが、留学生が日本語学校に在籍できるのは二年までだ。

入学して二年、全員が上級の日本語をマスターし、希望の大学や専門学校に進学するわけではない。

 

初級レベルの日本語能力しか習得できないまま卒業していった学生も、国籍問わずたくさん目にしている。

進学先が決まらず帰国した学生もいれば、決しておすすめできない誰でも入学できるような専門学校・大学に進学した学生もいる。

 

質の高い授業を提供できるような支援が必要、というのももちろんそうだが、学生のモチベーションをどう保っていくかも大きな課題だと思う。

進学校として存在している日本語学校の留学生たちは20代が圧倒的に多く、中には10代もいる。

クローズアップ現代+ではベトナムなどの東南アジアの学生を中心にインタビューをしていたが、中国や韓国のアルバイトをしていない学生でも、日本語を学ぶうえでのモチベーションの維持は大きな課題になっている。

 

外国人の違法就労を促進するような学校からは、優秀な教師はどんどん離れていくし、教育の質が落ちるのも当たり前。

 

それ以外の学校での課題は、「授業の質を安定させること」

それからもうひとつ、どうやって若い学生に「先生たちは日本語を教えたり進学指導をしたりすることはできても、出席率は変えられないし進学したい専門学校や大学の試験や面接にいっしょに行くこともできない。最後は自己責任」ということを伝えられるかということだと思う。

 

クローズアップ現代+のコメンテーターが「同じ日本人として恥ずかしい」とつぶやいていたが、根本的な問題はそこではない。

 

日本語学校に勤務する日本語教師の待遇が低いこと、この間可決された日本語教育推進法にも触れてほしかった。

日本語学校の雇用や授業の質が一定のものとなれば、学生も安心して日本語を学ぶことができ、その中で「日本語学校は日本語を学び、進学先を見つける場所。日本語学校をどう活用し、それによってどのような成果を得るかは自分しだい」という意識も高まっていくのではないだろうか。

 

考えなくてはいけないことが山積みの日本語学校や留学生の問題。

またこのブログでも取り上げたいと思います。